トラックは国の血液

国内の貨物輸送量に対するトラックの割合は9割にも上り、ほとんどの貨物はトラックで輸送されています。トラックが国の血液と言われる理由がここにあります。
今やトラックが日本経済を下支えしていると言っても過言ではありません。
僕は大型自動車免許を持っており、仕事で大型トラックを運転する事があります。
俗に言う10t車は最大全長12m、横幅2.5m、高さ3.8mのサイズがあります。総重量は荷物が満載ならば25tにも及ぶものもあります。バイクはもちろん、車ですら事故を起こしてしまったらひとたまりもありません。
日本中どこでも走るトラックは毎日見ない日はありません。だからこそ同じ道路を走る以上、トラック独特の動きを理解することも大事だと思います。
乗用車とは動き方が全く違うので、これを予測できれば危険を回避できるし互いに安全でスムーズな運転ができると思います。
大型トラックの特性を理解することで安全運転につながるという事が言えると思うので、ここからは実際に大型トラックを運転していて思うことや普段、車やバイクに乗るときに大型車に対して注意すべきことを書いていきます。
大型トラックの特性。

①内輪差
これは運転する人なら分かると思いますが、ホイールベースが長いトラックは曲がるときに後輪が内側に来るのでその間に巻き込まれる可能性があります。
とくに左折時には運転手は後方確認を100%ミラーに頼っているので、小さく見える歩行者・自転車・二輪車の存在を見落としがちになります。
交差点ではトラックの横からすり抜ける行為は危険なので絶対やめた方がいいです。
また、トラックが狭い道路に入るときにウインカーとは反対方向に車体を向けることがあります。これも内輪差で後輪がコーナーに当たらないようにかわすためにやむを得ずやるこやることで、それを知らないといきなり幅寄せされる感覚になると思います。
もちろんトラックの安全確認していればそのようなこともありませんが、こういうこともあるので二車線道路であってもトラックがウインカーを出したら減速して様子を見た方が安全です。
②ケツ振り(リアオーバーハングの振りだし)

これは意外と知らない方も多いと思います。僕も乗るようになってから意識するようになりました。
俗にいうケツ振りとは右左折時に、後輪から車体後端部分のリアオーバーハングが回り込むことによる振りだしのことです。後ろから見ると車体後端が曲がる方向とは反対にふられて接触事故を起こす可能性があるのです。
たとえるなら、後輪がコンパスの軸になってそこから車体後端が円運動を描いていくようなイメージです。
トラックの右左折時に車体側方に停車している場合このケツフリを気にして気持ち幅を空けると安心です。運転手がその隙間がないと判断したら車が通りすぎないと進めず立ち往生することにもなりかねないのでトラックに幅寄せするような形になるのは出来るだけ避けるべきです。
③死角

トラックは車体が大きい分それだけ死角も多くなります。トラックはミラーの数が乗用車に比べ多いことがわかると思います。たいてい左側に3つ、右側に2はついています。それだけ見るべきポイントが多いということです。
車もそうですが、やはり車体の左側がどうしても見づらいです。運転席側は確認しようと思えば身を乗り出すことができるので全体を目視で確認することができます。
しかし、左側後方の確認はミラーでしか確認できずその分見えない部分も大きくなっているという事を知っておくべきです。二車線以上の道路を走っていてトラックが右側いる状態での並走は危険なのです。
④運転者の視線
トラックは運転席が高い位置にあるので、遠くまで見渡せるので先の交通状況を読みやすいです。その分相対的に車のすぐ周りの状況は確認が不十分になることがあります。
運転席回りは死角になっていることも相まって近くのものが逆に見落としがちになるという事もあります。トラックの前に急に入り込むことは、たとえある程度車間を空けていてもあまりしない方がいいです。
どんな時も余裕をもって車線変更しましょう。
運転している人に是非お願いしたいこと。
車間距離を詰めさせないで

大型トラックは満載だと10t以上の荷物を積んで走っています。積んでいるのも様々で、食品・薬品・産業廃棄物・機械・原材料・木材など様々です。
中には数千万、億単位のものを運ぶものだってあります。万一事故なんて起こそうものなら大損害になります。事故にならなくても急ブレーキ等で荷崩れが起こると積んでる荷物だけではなく周りの交通にも影響してきます。
だから乗用車よりも車間を空けて加速、減速もゆっくり運転することが荷物を積んでいる場合は多いです。
そんな中で急に割り込んできたり、不意にブレーキをかけられてはとても困るのでどうかトラックの前にいるときは急な運転は控えてほしいです。
停止線にしっかり止まって

よくあるのが停止線を越えての停車です。これも場合によってはかなり困ります。
前述の通りトラックは内輪差が大きいため、右左折時は交差点に進入してしばらく進まないと曲がり始めることができません。その時に停止線を越えて止まっていると前がつっかえてそれ以上曲がれなくなってしまいます。
車を運転していて右折レーンの先頭で信号待ちをしていると左折してくるトラックがこっちにぶつかってくるんじゃないかっていうくらいの勢いで迫ってきませんか?
もちろんぶつけようと思ったりしているわけではなく、それくらい大回りしないと後輪が脱輪するかもしれないからです。だから停止線からはみ出てしまうととても曲がりにくくなります。
待っている中で迫ってこられると怖いと思うので、後続車がいないなら停止線がはみ出た時点で下がるべきですね。
ちなみに側道に向かって曲がってくるトラックに対して、先に譲ろうと停止線の結構手前で止まってあげると、すれ違いざまに手を挙げてお礼をしてくれる確率が高いです。
短いクラクションを鳴らす場合もあるかもしれません。こうやってお互い譲り合う心でいれば運転も気持ちいいですね。
以上が僕が運転していて感じたことです。自分本位の運転が事故を招く場合があるので、たまには自身の運転を振り返るのも大事ですね。今後も安全運転で無事故に楽しく乗っていきたいです。